【意味が分かると怖い話】一言で言うとマズい
一言で言うとマズい。
自宅警備員と成り果てた俺の家へ旧友がやって来るらしい。
らしい、というのは勝手に登録されたLINEから一方的に知らされ、既読スルーで対応しているにも関わらず、奴は着々と準備を進めているのだ。
全く迷惑な話だ。
当日には是非とも居留守を使わせて頂きたい所存ではあるが、生憎と俺は意思が弱い。
奴のエンドレスインターフォン攻撃を受けたらいずれ応対してしまう事うけあいである。
妥協に妥協を重ねて俺の白く輝く職歴がバレるのはまあいいとしても、両親の冷たい視線と惨劇と呼ぶに足る俺の部屋を見られるのは何としても避けたい。
そんな訳でここ最近の俺は自宅清掃員へとジョブチェンジを遂げ、ゴミやフィギュアやティッシュやらやらを絶賛処理中なのである。
しかしながらやはり俺の意思は弱く、一部R18指定丸出しのブツを捨てるというのはこれが中々精神的に難しいもので、いよいよ持ち上げた重い腰も虚しく、隣町へ隣県へと足を運んでもコイツらを捨てる事は叶わなかった訳で。
現在では綺麗に片付けられたが、故に逆に濃厚且つ芳醇な存在感を放つ異物どもをどう処理してくれたものかと、俺は今日も頭を抱えながら苦悩しつつ両親の視線に耐えてその脛にむしゃぶりつく訳である。
一言で言うとマズい、非常にマズいのである。